いつまでも

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「駿殿は、フウラン様の所に、お行きなされ」と、長春は言ったが 「フウランには、会いたくない」と、渋る。 「大きくなられた、フウラン様の、お子様の、顔を見に行っては?」 長春は、絶対フウランの子供は、駿貴の子供だと、確信している様に言う。 『子供、、麗華、、』麗華の顔は見たかった。 駿貴は、麗華にひかれて、フウランの所へ行く。 「駿貴様、ようこそ」と、出迎えたフウランを見て『浅黄っ』 思わず、声が出そうになって、慌てて飲み込む。 この前見た時より、フウランは、更に浅黄に似ていた。 「何だか、雰囲気が変わりましたね」駿貴が、そう言うと 「そうですか?二人目の子供を産んだからでしょうね」と、さらりと言う。 「二人目?」「はい、二人目も、駿様の子供です、今度は、男の子でした。 見てやって下さい」と、連れて行かれた部屋で、その子を見る。 「司、、」司や、春貴に、よく似ていた。 間違いなく、自分の子供だと思う。 その時、パタパタと掛けて来た女の子が、駿貴を見て「誰?」と言った。 「麗華の、お父様ですよ」フウランが、そう言うと 「お父様?」と、首を傾げる。 会うのは、まだ二度目、可愛く成長した、もう直ぐ三歳の娘、、、 「麗華、、」と、腰を落として、同じ目線になって呼ぶと ばっと、その胸に飛び込んで、抱きついた。 「よしよし、賢いな~麗華は」暖かで柔らかな、その体を抱き、立ち上がると 「わぁ~とっても高い~~」と、無邪気に喜ぶ。 そのまま庭に出ると「あの、お花が欲しい」と、枝に咲く赤い花を指さす。 傍まで行って、花を摘ませ「麗華は、お花が好きなのかな?」と、聞く。 「うん、赤い花も、青い花も、黄色い花も、ぜ~んぶ好き」 と、楽しそうに言い、自分の部屋に、駿貴を連れて行く。 色々な可愛い物が溢れている、その部屋で、駿貴は、折り鶴を折ってやる。 「わぁ~鳥さんだ~」麗華は、大きな目を瞠って、大喜びをし もう一つ、もう一つと、せがんで、結局、10羽の鶴を折った。 「お母様、見て~鳥さん、一杯だよ」と、やって来たフウランに、鶴を見せる 「まぁ、鳥さんを作って貰ったの?良かった事」フウランも、にこにこする。 そんなフウランは、一国の王と言うより、ただの母親の顔だった。 麗華を育て、もう一人、子供を産み、二人の母親になった事で フウランは、自然に、女より母親の顔になったのだろう。 だからフウランは、より浅黄に似て来たのだ、そう思う。 その夜、当然の様に、フウランは、駿貴の寝間に来た。 「フウラン、、」駿貴は、フウランの胸に抱かれて 浅黄に甘える様に、フウランに甘えた。 「何か、辛い事が有ったのですね」フウランは、そんな駿貴に聞く。 「うん、凄く悲しいんだ」「よしよし」フウランは、駿貴の頭を撫でる。 ああ、浅黄が頭を撫でてくれている、、駿貴は、幼い頃に戻り フウランの胸に、顔を埋めた。 そして、フウランの温もりの中に、どっぷりと浸った。
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