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第2話
大橋和也「・・・・・ 」
って言うかさっきからあの人、俺の自転車の後を、同じく自転車でついてきた。
ってか方向同じなんか?
大橋和也 「な、なんなん。まさか大学まで同じとか? 」
俺はなんだかモヤモヤしっぱなしやった。
大橋和也 「あのー?・・・何か用? 」
何か用?と言いかけたけど・・・
? 「・・・・・ 」
あの人は無言で自転車を止めるとさっさと駅舎のほうに入っていった。
大橋和也 「ってかめっちゃ感じ悪いんやけど? 」
普段はあんまり感じやん感情やった。
大橋和也 「うわっ!ヤバっ 」
電車に乗遅れそうになり、全力疾走。
初日からめちゃめちゃや
大橋和也 「ハァハァ(*´Д`*)間に合ったァ・・・・ 」
運良く毎員電車は逃れたらしい。
? 「ふっ、アホちゃうか? 」
とそいつは呟いた!
ってか同じ車両やなんて!
大橋和也 「ムッ( ˘•ω•˘ ) 」
ホンマにこの人は何様なん?
お互い名前も知らないままその朝は過ぎていった。
そしてその夜、さっそく大ちゃんに今日のことを報告。
一足先に大学入学式を終えた大ちゃんは、宿題をしていたらしい。
西畑大吾 「へぇ?感じ悪いお隣さんね・・・・。名前は? 」
大橋和也 「そうなんよ!名前なんか知らんわ!知りたくないわ。ほんまに引越し早々、また引越ししたくなったわ 」
西畑大吾 「あはは!でも家賃結構するんやろ? 」
大橋和也 「そうなんよ 」
西畑大吾 「あとアパートやのに眺めがええとか言うてたやん」
大橋和也 「そうなんよねー。ここからの風景は眺め良くてさ。写メ後で送るわ 」
西畑大吾 「おー!楽しみにしとくわ 」
大橋和也 「それでなー? 」
俺は思わずベランダに出てしまい・・・
? 「・・・・・・ 」
その人と目が合った!なんでそこにおるん?
大橋和也 「!? 」
西畑大吾 「ん?どうしたはっすん 」
俺が急に黙ってしまったのを、不思議に思った大ちゃん。
大橋和也 「あっ、いやえーっと(しまった。忘れてた) 」
西畑大吾 「なんか出たんか?ゴキブリとか?西畑が助けに行こか? 」
大橋和也 「笑いやいや、なんも出てへんよ?気のせいやったわ(ごまかさな)あのさぁー今度のダンスのプログラムなんやけどな? 」
ヤバっ、あの人に聞かれたかな・・・
西畑大吾 「笑なに?ダンスのプログラムって 」
大橋和也 「あっ、ごめん。今の忘れて? 」
何言うてるんや、俺は!!
西畑大吾 「あっ、そうや!はっすんにな?紹介したい人がおるんや」
大橋和也 「えっ?女?それとも、大ちゃんの彼女?
西畑大吾 「いや、ちゃうから。ちゃんと聞いて。 」
大橋和也 「ごめんごめん 」
西畑大吾 「あんな?大学でも、ダンスサークル入ったんや」
大橋和也 「そうなんや。おれはまだ、決めてへん、ダンスサークルあったかな?
無論まだ見てへんかった。
西畑大吾 「同じ大学のサークルの先輩なんやわ 」
大橋和也 「へぇ? 」
西畑大吾 「その人がな?別でダンスサークル作ってて、メンバーを1人募集しとるらしいんや。ボーカルもやってほしいらしくてな? 」
大橋和也 「なに?歌歌うとか ?」
西畑大吾 「正解!はっすん、頭冴えてるな 」
大橋和也 「マジか笑 」
西畑大吾 「はっすん、歌、激うまやし、そのサークルに入らへん?俺も入ってるし・・・・他に5人おるんや 」
大橋和也 「えっ?ええの?大学違うやん 」
西畑大吾 「俺の友達連れていくってその人には言うといたから大丈夫や!はっすんにこのグループに入って欲しいなぁーってすぐに思いついたから 」
大橋和也 「そうなん?ありがとう!さずが持つべきは親友やな!俺も探そうと思ってたんや。大学ではいるよりそっちの方がええかもな 」
西畑大吾 「じゃあ、決定やな!明日、放課後待ち合わせしよう」
大橋和也 「うん、分かった! 」
西畑大吾 「じゃあねー 」
大橋和也 「うん、バイバイ 」
と、電話を切ると・・・
? 「随分長電話してたな 」
と、なぜか隣のベランダから声をかけられ・・・ 、
大橋和也 「ちょっ!聞いてたんか?いつから? 」
って、俺またいつの間にかベランダ出てるし・・・・。
? 「べつに?隣にいてるの気が付かへんし、聞くつもりは無いけどあんたの声がでかいから聞こえるんやけど? 」
大橋和也 「あ、あんたにはかんけいないやろ? 」
と、部屋に入ろうとしたら・・・
? 「電話の相手は女か? 」
大橋和也 「ちゃいます。友人です 」
? 「へぇ?君にもいるんや・・・ 。確かに彼女とする会話やなかったな」
大橋和也 「どういう意味?(やっぱりきいてた?) 」
? 「これ、なぁんだ 」
と彼がみせたのは
大橋和也 「あっ!・・・・・それ! 」
俺のお気に入りのキーホルダーやん!!
えっ?落としたの気が付かんかった!!
大橋和也 「ちょっ!なんでそれ、あんたが・・・ 」
? 「朝、急いでいて落としたの気が付かんかったんやろ 」
大橋和也 「か、返してください! 」
? 「どうしようかなぁ? 」
と、意地悪な笑みになる。
大橋和也 「それは俺と大ちゃんの友情の証なんや!! 」
? 「へぇ? 」
大橋和也 「わ、悪かったですね。どうせ彼女なんて居ないですから。
笑ってくれてもいいですよ? 」
? 「・・・・・あはは 」
大橋和也 「・・・・・・ (ほんまに笑わんくても)」
? 「別にいいんじゃない?男友達だけで今は充分っていうのも悪くないと思うけど? 」
大橋和也 「えっ・・・・ 」
もっと意地悪されるかと思った。
? 「はい、もう落とすなよ?同じ時間に行くとは限らないんだからな ?」
大橋和也 「・・・・あ、ありがとう・・・ 」
彼は俺にキーホルダーをくれると・・・
? 「そういえばなんやけど、あんた名前は? 」
大橋和也 「えっ? 」
? 「隣人になったんやし、名前くらい教えろや。いつまでも「あんた」呼びしたないけど? 」
大橋和也 「あっ、大橋和也です 」
? 「へぇ?覚えといたるわ・・・ 」
言い方・・
大橋和也 「あの?そっちは・・・? 」
? 「おれ?俺は、藤原丈一郎や。まぁ?覚えやんくてもええよ?【感じ悪いお隣さん】って名前で 」
大橋和也 「き、聞こえてたんですか!? 」
藤原丈一郎 「だってさー、めっちゃ聞こえる声で話しとるもん。もう少し近所迷惑考えろや 」
大橋和也 「そ、それはすんません・・・ 」
藤原丈一郎 「まぁ、ええけど?それが大橋の取り柄なんやろ? 」
そう言ってその人、藤原丈一郎さんは笑った。
ドキン・・・
えっ(;゚Д゚)!な、なんや今の・・・・
あの人が急に笑ったから・・・・、急に優しいこと言うから俺は・・・・・。
そんなはずはない!!この俺が男に恋するなんて!
この時はそう思っていたはずだった。
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