戻ってきてからのこと

　無性に何か読みたくなった。中学生の頃、本を読み出すと止まらなくて、夢中で明け方まで読んでいたことを思い出した。

　明日は本屋に行こう。今、部屋の中には本なんて一つもないけど、昔、本が好きだった。月に何冊か本を買って、新たなお気に入りの作家を探すのが好きだった。なんだか嬉しくなって、結局ジュースを一本買って帰ることにした。家に帰って飲んだオレンジジュースは少年の頃に戻してくれるようで美味しかった。

　久々に大型の書店の店内に入ると、なんだか自分が場違いなような気がして恥ずかしくなった。買う気はないが、雑誌コーナーから見て歩き、最近はこんな名前の雑誌が発売されているのかと感心した。
　お目当ての文庫本コーナーを歩きながら、知らない作家ばかりで驚いた。よく本屋を利用していたのは、高校生の時だったから、あれからいろんな作家がデビューし、話題となったのだろう。毎年、直木賞や芥川賞作家が誕生しているはずだけど、もう何年もチェックしてなかったから、これから調べてみるのもいいかもしれない。