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書店を出ると、なぜか清々しい気分だった。家に帰る途中、ふと、喫茶店が目に入った。そういえば、高校生の頃は、大人になったらお気に入りの喫茶店でのんびり本を読みたいなんて思っていた。その頃は本を一冊買って、その後喫茶店に入るほど、こづかいをもらっていなかったから、いつかそうしようと夢見ていた。一瞬、喫茶店に入ろうかと思ったけど、それは次の機会にすることにした。これからいくらでも時間がある。戻ってきた自分と、ゆっくり付き合うことにした。
家に帰り、かばんから本を出す。この部屋に置く最初の一冊。しみじみと眺めた後に、本を開く。自分が戻ってきてからやっと求めていた時間が流れている気がした。
気づけば本を一冊読み終えていた。達成感と披露でぐったりとしながら、あらためて自分と向き合った。
これから、それほど自分に楽しさを与えられないかもしれない。おそらく、この先自分が手に入るものは、たかがしれている。それは他人から見たらとても幸せと呼べないものなのかもしれない。でも、手に入るものもある。
だから、焦らなくていいし、落ち込まなくてもいい。一つ一つ楽しみを探していこう。
あらためて、戻ってきてくれてありがとう。これからもよろしくお願いします。
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