マッチングアプリのサクラ

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 ホテルの部屋に入った瞬間、壁におしつけられ、いきなりキスをされた。無遠慮に口内を舌で犯される。  そのまま彼のペースに流されてしまえば、今回の目的を達成することはできない。私は、手のひらを彼の胸板にあてて軽く押した。 「ちょっと待って」 「なに?」  私は鞄からポーチを取り出し、ファスナーをひく。そこから錠剤を取り出して見せた。ユウタは酒なのか、性的にスイッチが入った状態だからか、顔を赤らめながら楽しそうに笑っている。 「ねぇ、それなに?」 「気持ちよくなれるクスリ」 「いいね」  私はそれを口に含むと、ふたたび彼と口づけを交わす。彼の舌が私の口内に入るから、私も舌を使ってクスリを彼にわたして、それを飲み込ませた。  その瞬間彼の腕から力が抜け、すぐさまその場に崩れ落ち、床の上に仰向けに倒れた。 「あ、れ……なんだか……ね、む……」  そのまま彼は糸が切れたマリオネットのように意識を手放したようだ。
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