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ふと、ツカサの頭に、副担任の先生の姿が浮かぶ。
先生のことを考えたとたん、少しだけ胸の奥がチクンとした。
このチクンはなんだろう。
「途中まで一緒に帰ろう!」
靴に履きかえた莉菜は、ツカサの隣に並び、にこりと笑う。
揺れるツインテールが肩口で踊る。
くりっと大きな目が印象的だ。
背丈はツカサと同じくらい、もしかしたらやや高め。
ツカサはクラスの中でも一番背が低い。自分でもそれをかなり気にしている。
だから毎日の牛乳はかかせない。
それはともかく、莉菜は回りの男子が言うには、可愛いと評判らしい。
何かしらの学校行事があると、莉菜と同じ班になりたがる男子が多く、席替えともなると、一大イベントみたいに大騒ぎだ。
時々、ませた男子生徒が莉菜に告白をしているらしいが、今のところ莉菜は誰ともつきあっている様子はない。
莉菜には好きな子がいると誰かが言っていた。
それは初耳だ。
ずっと幼なじみをやっているが、莉菜に好きな子がいたのは知らなかった。
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