1 鶇巣ツカサと、幼なじみの莉菜

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 ふと、ツカサの頭に、副担任の先生の姿が浮かぶ。  先生のことを考えたとたん、少しだけ胸の奥がチクンとした。  このチクンはなんだろう。 「途中まで一緒に帰ろう!」  靴に履きかえた莉菜は、ツカサの隣に並び、にこりと笑う。  揺れるツインテールが肩口で踊る。  くりっと大きな目が印象的だ。  背丈はツカサと同じくらい、もしかしたらやや高め。  ツカサはクラスの中でも一番背が低い。自分でもそれをかなり気にしている。  だから毎日の牛乳はかかせない。  それはともかく、莉菜は回りの男子が言うには、可愛いと評判らしい。  何かしらの学校行事があると、莉菜と同じ班になりたがる男子が多く、席替えともなると、一大イベントみたいに大騒ぎだ。  時々、ませた男子生徒が莉菜に告白をしているらしいが、今のところ莉菜は誰ともつきあっている様子はない。  莉菜には好きな子がいると誰かが言っていた。  それは初耳だ。  ずっと幼なじみをやっているが、莉菜に好きな子がいたのは知らなかった。
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