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「ねえ、ツカサくん。来月あたしの誕生日なんだ」
ありがたいことに、莉菜もそれ以上、先生のことにかんして突っ込んでくる気はなさそうだ。
他の女子みたいにしつこくないところが、莉菜のいいところだ。
「そういえば、そうだったな」
莉菜に言われて思いだした、という素振りをみせたが、ちゃんと覚えている。
「今年も誕生日会、来てくれるよね」
「別に、いいけど」
「ママがご馳走いっぱい作るって言ってた。今年はハンバーグを作ってって、お願いしたんだ」
「へえ」
先ほどの照れを引きずってか、ぶっきらぼうに答えるツカサだが、内心手を叩いて喜んでいた。
なぜなら、莉菜の母ちゃんお手製のハンバーグはめちゃくちゃおいしいのだ。
とくにデミグラスソースが最高で、毎日食べてもいいと思うくらいうまい。
「それでね、あたし、プレゼントはツカサくんとおそろいのキーホルダーが欲しいなあ。ランドセルにつけるの」
立ち止まって莉菜を振り返る。
ちゃっかり、プレゼントのリクエストか?
もちろんそれはOKだ。
問題ない。
あらかじめ欲しいものを言ってくれたら、こっちも悩まなくていいから助かる。
だけど!
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