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またしても確認されて、面倒を通り越して竜也はついさっきまでの話も覚えていられないのかと心配になる。
「手短にと言ったから一言で言うぞ。さっきも真剣だったけど、今回はもっと真剣だからな」
「う、うん」
勢いに押されて返事をするが、竜也が真剣に私に何を伝えたいのだろうか。でもなぜだか胸が高鳴る。
「桶谷が好きだと思っていたが、それがすでに過去のことだとわかった。そして俺は何度も最終確認をした。そしてモモは答えた、俺の気持ちを受け入れてくれる、納得済みだとな」
「た、竜也の気持ちって?」
一体どんな気持ちなのか、想像できない。
「薄々予感はしていたと言っていただろ? わからないで逃げるなよ、いや本人から直接聞きたかったんだったな」
「い、いや予感は振られることだし、聞きたい話は別れ話だよ」
何か大きなすれ違いが生じていることがやっと感じられた。
すれ違い、そういえばさっき竜也がそんなことを言っていた。
「足掻かないんだよな? じゃあ、きちんと向き合ってくれよ」
竜也の声は近いのに遠い、でも次の瞬間の声はやけに大きく聞こえた。
「モモ――いや百華が好きだ」
あっ、トルネードが起きた。
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