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そうやって精一杯の虚勢を張って別れたが、私はその場に立ち尽くしていた。
喚き散らせば何かが変わっただろうか。
いや、きっと変わらなかっただろう。ただ、私が惨めな気持ちになるだけだ。なら私は正しい選択をしたのだ。
「私がいくら絶望しても世界はこんなに明るい」
よく晴れた青空が憎らしく感じる荒んだ心は、私の受けた絶望で世界は何も変わらないことに苛立っている。
「こうなるってわかっていたから呼び出されてたんだ」
私はこの後、友人でもあり、いつの間にか元彼となっていた人の友人でもある遠藤竜也と待ち合わせをしていた。きっと彼はすべてを把握していて、哀れな私を慰めてくれるつもりなんだろう。
多少変わっているが、竜也がいい奴であることは短くない友人歴でよくわかっている。気乗りしない約束だが、時計を見ればもう待ち合わせ時間が近付いていた。
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