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プレステ2
この間、プレステ2がありえない壊れ方をした。
ある日、家に帰ったら弟が玄関に突っ立っていてこう告げた。
「たぶん……プレステ2……壊れてる……と思う……」
「いきなり何?」と思いながら、部屋に入り、プレステ2を見た。ディスクトレーが半分ぐらい本体から出ていて、観光地のお土産売り場によくある円形の焼菓子が、トレーのディスク入れに収まった状態で、そのまま止まっている。ディスクの代わりに焼菓子を入れて遊んでいたのか。
「これは完全に壊れてるんじゃ?」
ひとまず、焼菓子を抜いて、本体を持って上下に振り続けた。粉状の物、恐らく焼菓子が砕かれた物だろう。それがポロポロポロポロといっぱい出てくるのである。
(めっちゃ出てくる……。1枚ではないなこれ……)
段々と気合いを入れて振っていたら、飛び出ているトレーをテーブルの角に思いっきりぶつけてしまった。
(やべっ!)
ヒヤリとしながらトレーを見ると、元の位置に格納されていた。
「おっ! 治ったんじゃないか?」
「えっ!?」
弟に治った事を告げ、本体を振るとカラカラカラカラと音がした。電源を入れてオープントレースイッチを押す。すると、ウィウィウィウィウィーと音がして、トレーが出てこないのだ。よく見るとトレーが奥へ入り込み過ぎている。無理矢理下顎を奥へ引っ込めた出っ歯みたいな状態になっている。いくらスイッチを押しても中のギアが噛み合わず、空回りしてトレーが出て来れないのである。
「うわ! 兄ちゃん壊した……」
「ちょっ!? 待って!?」
弟からの反撃である。
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