きっとそれが大人になるってこと

3/8
前へ
/8ページ
次へ
「……実は、両親が離婚寸前だったんです。で、ちょっと、お休みを」  私は自分の気持ちを言える相手を、ニシキさん意外に知らない。  ぽつりと呟いた言葉が、部屋に響き、しみこんでいく。学校の友達にも、先生にも言えない。  だけどニシキさんになら、言える気がする。  私はマグカップに入ったカフェオレを見ながら、そう思った。   『はぇえ……じゃあ、ちょっとルーム変える? このままだと、他のフォロワーさんはいれるから』 「あ、じゃあ、お願いします」 『あいよ』  ニシキさんが通話を切る。  一瞬、不安になった。もしこのまま、ニシキさんが通話を再開させなかったらどうしようか、って。  だけどすぐさま、新しい通知が来た。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加