プロローグ

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プロローグ

「なんか、星になった」 着信音とともにひとつのメッセージが表示される。 スマホを持つ手が震える。 送り主は「小野(おの) 唯星(ゆいほ)」私の親友だ。 いつもと変わり映えない文面、結論を先に言わないじれったさ、つい興味がわいてしまうよう謎のものの言い回し…。 何一つ普段と変わらないメールに、つい返信してしまいそうになる。 きっと、つい先週までだったのならそうしていただろう。しかし、今はそうしない。そうはできない。だって、彼女はもう死んでいるのだから。 ちょうど一週間前、彼女はマンションの屋上から飛び降りて死んだ。 だから、彼女からメールが来るというのは、きわめておかしいことであり、ありえないことなのだ。 なのに、現に私は彼女からメールを受け取っている。なんで…? 誰かのいたずら…?いや、このメールに限ってそんなことはないと思う…。 生前、彼女は 「アプリ全部にカギかけててさ~、 パスワード打つのが、面倒し、正直どれも20文字以上あるから、ほんと大変で、w」 と私に吐露したことがある。 おそらく、それは事実だろう。 なら、なんで―――。
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