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優佳はにっこりと笑って同意した。
「そうなんです。仕事の話をしていたつもりだったんですけど、なぜかこういうことになってしまって」
「ああ、優佳さんは、フードコーディネーターでしたよね」
「今後は積極的に理玖の仕事にも関わっていこうと思ってます」
「優佳はすごく優秀だから」
誇らしげに、隣の優佳を見る理玖。
「さすがに出発しないと。打ち合わせに遅れますよ」
勇人が冷静に言った。
「あー、今日は打ち合わせがあったか。これから優佳と食事に行こうって言ってたんだけどな」
仕事を忘れていたくせに、悪びれる様子もない理玖の背中を、優佳はぽんと叩いた。
「すみません、仕事が入ってたんですね。わたし知らなくて。彼のスケジュールを共有していただければ、今後はちゃんと管理しますから」
「まじですか!?」
スタッフたちは救世主として崇めるように優佳を見た。そして、思い出したように言った。
「結婚、おめでとうございます! これから末永くよろしくお願いしますね!」
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