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再会
朝の光がカーテンの隙間から差し込む・・・・・・ソファに眠る鳴海を見た。
夢でも幻でもなく、懐かしい鳴海が眠っていた。
キッチンで水を飲む為に立ち上がる・・・・・・
ソファーに寝ていたあいつが目を覚まし起き上がろうとしていた・・・・・・
「うぅん・・・・・・」
「鳴海・・・・・・大丈夫か?」
「・・・・・・碧?・・・・・君か?」
「あぁ~~俺だ・・・・・あれほど飲むなって言ったのに・・・・・いう事聞かないな」
「碧・・・・・・俺は・・・・・・ここは?・・・・・・なぜ君が居る?」
「酔いが覚めたら全部説明してやる・・・・・・帰ろう」
いつもそうしていたようにあいつを支えて外に出た。
太陽はすでに高く昇り休日の朝は眩しく輝いていた。
鳴海を抱えタクシーに乗り込む。
「鳴海・・・・・・家はどこだ?住所は?」
住所を伝えてマンションへ向かう………
マンションに到着してエレベーターに乗り込む・・・・・今だ酔いの冷めないあいつは何も言わない………誰かがいたら・・・・・
エレベーターを降り、ドアの前であいつの腕を下す。
「鳴海・・・・・鍵・・・・・・」
あいつから鍵を受け取る・・・・・・
「開けるぞ・・・・・・いいか?」
「・・・・・・うん・・・」
鍵を差し込みドアを開けた・・・・・綺麗に整えられたあいつの部屋・・・・・・あいつらしいあの頃と同じ部屋だった。
嬉しかった、あいつは変わっていなかった。
ベッドまで運ぶと上着を脱がせネクタイを外す・・・・・・ワイシャツのボタンを外しベルトを外してズボンを脱がせた。
掛布団を掛け、額にかかる髪を上げる相変わらず美しい顔だった。
頬に手を当て撫でてやる、目を閉じたあいつが両手を延ばし俺の首にしがみ付いた。
「碧・・・・・・逢いたかった・・・・・・」
「わかってる・・・・・・俺もだ・・・・・」
「・・・・・・置いていくな・・・・」
「酔いが覚めたら電話しろ・・・・・・番号は登録しておく・・・・・分かったな?必ず電話しろ」
「・・・・・・ん・・・・わかった」
「寝ろ・・・・・・帰って風呂入ってくる・・・・・電話待ってるから」
ドアを閉め部屋を出た俺の気持ちは弾んでいた………これからの俺たちを考える。
タクシーに手を上げ乗りこんだ。
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