100回目の初めまして

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 「 初めまして、おばあちゃん 」  毎日、何度も初めましてと言い合う。  仕事から帰れば忘れられていて、朝起きればまたリセットされている。  それでも、私達は何度も笑顔で返事をする。  初めましてと。  だけれど、苦しいのは隠せない。  母は、現実から逃げたいと言う。  それもそうだろう。  祖父を亡くした後に、祖母まで別人になったのだから。
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