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それから数ヶ月後、金梨家は3億円の資産を元手に投資に成功。さらに、もとは杏華の父が経営した会社を次々に買収。
あっという間に、全盛期の財前家にも匹敵するほどの富を築き上げてしまう。
そして、じみ子の私服もどんどん派手になっていき、スクールバッグすらブランド物のバッグを用いるようになった。
教室にはお弁当の代わりに、そうめん職人を呼び、毎日教壇のうえでそうめんを作らせるほどのセレブとなったのだ。
「いや、なんでそこでまだそうめんなんですの!?」
「やれやれ、杏華ちゃんみたいな貧乏人には、出来立ての高級そうめんのよさが分からないか……」
「そんなの別に、分かりたくはないですわー!?」
そうしてじみ子は完全に調子に乗って、都内の一等地を買って建設したお屋敷からジェット機で学校に通い始める。
一方で、お屋敷を差し押さえられた杏華は、ボロアパートに引っ越して徒歩通学をする生活だ。
まあ、そんなこんなで、完全に杏華とじみ子の立場は逆転してしまったわけである。
「このままではまずい! 大変にまずいですわ!!」
貧乏生活で追い詰められているとは言え、杏華にはまだプライドがあった。
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