愛のしるし

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 付き合って3年目の記念に買った、お揃いのネックレス。俺のは銀色のチェーンに、銀色の十字架が付いていて、由乃のはそれを金色にして少し小ぶりにしたものだった。大事にしようね、あたしも大事にする。そう言って微笑んだ由乃は本当に嬉しそうで、俺も肌身離さずつけようと心に決めたのだった。それが、2ヶ月前のこと。  そのネックレスを、なくしてしまった。営業の外回りの途中、汗で錆びてしまいそうだと思って外したところまでは覚えている。仕事を終えてさあつけよう、とネックレスを入れたはずの胸ポケットを探る。しかしどこにもネックレスが入っていない。俺は焦った。あれは、由乃とお揃いで買ったものなのに。嬉しそうに微笑んでいた由乃の顔が浮かぶ。じわり、と背中に嫌な汗が滲んだ。  今日出歩いた場所をもう一度歩き回り、鞄をひっくり返して探す。スーツのポケットも、一緒に営業に行っていた先輩の鞄の中も、果てはパンツの中まで探したがどこにもない。  こうなったら、と俺は1人、由乃とネックレスを買った店に向かった。
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