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「“私の目的はキョーカドーのコロッケを安くすること”」
彼は胸をなでおろして彼女を見つめた。
「忘却を乗り切ったようだな。葉月」
「良かったね。流月」
二人は日本刀を鞘におさめた。
「コロッケを安くするにはどうしたらいいんだ」
「一緒に考えよ」
二人は手をつなぎ合った。そうしてダイヤルを回して元の世界に戻った。自宅の利政の死体にびっくりして警察に通報した。
二人は第一発見者として調べられたが罪の証拠はなく、2日後自宅に帰された。二人で利政の死を悼んだ。できる限り立派な葬儀を出してあげた。
それから3日経った。時計が3時をうっておやつの刻を知らせた。二人はテーブルで向かい合って座り、チョコレートボンボンを食べた。そしてコロッケについて議論するうちに、物価の問題にたどり着いた。
その後、力を合わせて猛勉強を始めた。そして揃って経済学者になり、その頃めでたく結婚した。学者として名をあげ、政治家に望まれて助言もできるようになった。結果として二人の晩年、キョーカドーのコロッケは安くなった。
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