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ずっと前に見た1枚の絵。 真っ黒な背景に、無数の色が散りばめられていた。 赤や紫、青に黄色……鮮やかな色の粒。 それはまるで、夜に咲く花のようだった。 その絵の記憶は、いまも私の中に鮮明に残っている。 夜空の下、いちめんに広がる花畑。 どこかにそんな場所があるのなら、行ってみたいと思った。 だけど、そんな場所はきっとどこにもない。 花畑は夜空よりも、青空の下が似合う。 花には太陽の光が必要だから。 もしかしたらどこかにあるのかもしれないけれど、大人になった私は、どこにあるのかもわからない場所をわざわざ探しに行こうとも思わなくなった。 あれは絵だから、空想だから、きれいだったんだ。
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