『うん、死んじゃったー』

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『ほらこれ、私の自転車』  ズームされたところには、確かに汐梨がいつも乗っている自転車に見えなくもない。それでも信じられなかった。 「え、ちょ、本当なのか?」 『うん、死んじゃったー』 「死んじゃったじゃねーよ!!」  たぶん、この時が人生で一番の声を出したのではないかと思う。 「お前……その時付けていたブラとパンティはまだあるんだろうな?」 『え、心配するのそこ?』 「当たり前だろっ! 生身の温もりをはらんだ汐梨の下着がもう一生感じられないなんてそりゃないだろ!?」 『それなら安心して、温もりは私のベットで温めて、生身の問題は洗濯前の下着なら今すぐに私の家に駆けこめば1つか2つ、まだあると思うからそれを!』 「本当だな?」 『たぶん、お母さん週末に3回洗濯機回す人だから。もしあったら形見として私の下着はすべて格にあげるよ』 「言ったな? 言ったかんな? やっぱやめたはなしだぞ? 全部もらうからな?」 『今からならまだ間に合うかもしれない! はやくはやく!』 「わかった! ちょっくら行ってもらってくるわ」 『楽しみだね! 犯罪者!』 「あぁそうだな! 首謀者!」  この後汐梨がこうなった経緯とかあのおじさんが誰なのかとか、聞いたけどよくわからなくてとりあえず「なるほど」と頷いておいた。
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