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『その方が盛り上がるからじゃない?』
『2回戦ができるくらいの過激なやつあるよ?』
一緒にお風呂に入ろうと誘った日の夜のことだった。別に携帯は防水だろうし、汐梨に裸になって欲しいなんて思ってはいるけども、そういうやましいものではない。
子供の頃だって一緒に入っていたし、まだ子供だという身分で押せばいけると思ったら汐梨はそんなに甘くなかった。
僕はただ、汐梨とお風呂に入ったという事実があればそれだけで興奮するんだと熱弁すると、ただただ嬉しそうな顔して『いやだ』と断るだけだった。
その代替え案として提示されたのがこれだ。
『ネットにアップされているエロい動画も私にかかれば瞬時に頭に入ってくるからね。格が好きなジャンルやシチュエーション、タイプもろもろを絞り込めば簡単に出てくるよ』
「おい待て、なんで知ってんだよ」
『なんでって、格この携帯でエロ動画を見てるじゃん』
確かにそうだった。
「じゃあ汐梨は今や僕の趣味趣向性癖を熟知したスーパーアドバイザーでは!?」
『そうとも言えるね』
えっへんと胸を張る。その曲線が僕の目を掴んで離さない。
「じゃあ、視聴履歴から外見的特徴で誰が好みか絞り込んでくれ!」
『わかった、待ってて……』
待っててとは言われたものの数秒程度で結論が出たのか、はっとした顔の後に僕を睨み付ける。
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