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「あっ私、ハルカちゃんと同じクラスのルナ!よろしく!」 「へぇ、いい名前!ハルちゃん良かったね、クラスに友達出来て」 「……よ、余計なお世話だよ」 「あーごめんごめん。こう見えて一応心配してたんだけど」  底抜けた明るさで話をする彼は、閉鎖された空間を照らす太陽だった。  気がつくと、先程の尖った凶器を投げかけた連中はいなくなっていた。ある意味、彼の登場が良い方向へと動いたのかもしれない。彼はきょろきょろと周りを見渡すと不思議そうに首を傾げた。 「にしても、オレ誰に呼ばれたんだろ?誰も居ないんだけど」 「わ、わたしは呼んでないよ」 「成程。つまり我が偉大な力を以って、別世界からの救援要請が直接脳内に──」  目の前で繰り広げられる二人のやり取りに私の脳内はエラーが連発されていた。絶対的な冷たさを感じた彼女の印象と圧倒的な明るさを感じた彼の印象が一瞬のうちに崩れ去っていく。 「え、えっと」 「あっ、ごめん!意味わかんないよね。この喋り方、癖みたいなものでさ」 「ルナさんはなるべく関わらない方が良いと思います。……面倒、なので」  瞬く間に彼らは元の印象に戻って、さらに私の脳内をバグらせる。都会とはこういう世界なのだろうか。私はまだまだ未熟者だったのかもしれない。この喋り方が癖になるってどのような生活を送っていたらそうなるのだろう。 「全然面倒じゃねぇし!!……てか、その荷物運ばないといけないんでしょ?さっさと運んで帰ろ。オレも手伝うから」  そう言うと彼はハルカちゃんの持っているプリント──ではなく、彼女の手に触れた。彼女は驚いた様子で目を見開く。そして、目を瞑って一呼吸。
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