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不思議なネコ、チロル。
首で光る石も不思議だけど、それよりも。
「ねえ、チロルってなにもの? どうして話せるの? なんで空から落ちてきたの?」
「メイには助けてもらったし、お世話になるし。うん、きちんと説明しとくよ」
チロルがわたしと向き合うために、テーブルの上にジャンプした時、その手がテレビリモコンの電源スイッチに触れた。
突然流れ出したテレビに、わたしもチロルも目を向けた。
そこに映っていたのは白いネコを探すチラシのニュース、今朝マオちゃんが言ってた話だ。
チラシに書かれている電話番号にかけても繋がらないというのに、今日もまたどこからか飛んできているという。
「アイルだ……、アイルが映ってる!」
チロルはジャンプしてテレビの近くに走っていく。
「え? チロルの知り合い?」
「アイルはボクの友達なんだ。ボクは、彼女を探しに未来からやってきたんだよ」
「未来?」
「そう、西暦二千二百年の未来から」
二千二百年? ずっとずっと先の未来。
わたしが見ることのない世界から、チロルとこのネコちゃんはやってきたというの?
チロルの首元についている石がキラリと揺れる。
それはテレビに映る白ネコちゃんと同じものだ。
「ボクらは、ハッピーキャットって呼ばれている半分だけAIのネコなんだ」
「ハッピーキャット?」
「人間を幸せにするために選ばれたネコ、ボクもアイルもね」
さびしそうな顔でテレビの中のアイルちゃんを見つめるチロルは、未来の世界をわたしに教えてくれた。
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