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もぞもぞとわたしの腕の中で動くあたたかくて、モフモフの小さな体。
その感触が、温もりが懐かしくて、少しだけ強くチロルを抱きしめる。
でも、どうしてだろう?
チロルの説明はわかりやすくて、納得できる部分もあるけど。
どうしても、ヘンだなって思っちゃうのは。
「なんか、ヘンだよね」
「なにが?」
「最初に博士が望んだとおりで良かったと思う。首輪に余計な機能なんかつけなくても、ネコはかわいいし、わたしはこうして抱っこしてるだけでも幸せなのに。未来の人間は、本当に幸せだった?」
「どうしてそんなこと聞くのさ。まるでアイルみたい」
すでに切り替わったニュースをじっとチロルが見つめている。
小さなため息が怒っているみたいに感じる。
「今、アイルを探しているのは研究所の人間なんだ。不良品になったアイルを回収しようとしてるんだよ。アイルの危険な行動に気づいた研究所の人間に追われて、この時代に逃げ込んだ。そこまではわかってる」
「アイルちゃんは不良品なの?」
「そう。だからボクは、研究所の人間より前に、アイルを探し出して説得するためにやってきたんだ。ボクら、ずっと友達だったから」
アイルちゃんのことを、チロルがなぜ不良品と呼ぶのか、それは話してくれなかったけれど。
本当に心配していることだけは、その目を見ればわかった。
「メイ、お願い。アイルを探すのを手伝ってほしい」
「いいけど、どうやって探すの? 心当たりはある?」
「近くにいるのはわかるんだ。アイルの匂いがするから」
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