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ヒューガが、わたしの態度を変に思ってるのが、ミサキちゃんのことだと勘違いしてしまわないように。
「あ、あのね、人に頼まれてネコちゃん探してるの」
「ネコ?」
「そう、白ネコちゃんなんだけどね? この辺りで見かけなかったかな?」
「なんで探してるの?」
「え?」
「あ、いや……、白いネコなんて、あちこちにいるだろ?」
「う、うん、そうだよね」
テレビに出ているあのネコちゃんだよ、とは言えず、ごまかすように笑って見せたら。
「オレも見かけたら教える。だから、まずは学校急ぐぞ! 今日は、校外学習の班決めがあるのわかってるか?」
「あ、」
「くじ引きだって言ってた。だから、安心しろ」
わたしが、遠足の班決めのことを思い出したのを気づいてくれたことに、少しうれしくなって「ありがとう」って声に出そうとした瞬間、ヒューガはさっと背中を向けてズンズン歩いてく。
「ありがと、ヒューガ!」
わたしの声なんか、まるで聞こえてないように走り出していく。
久しぶりに、ちゃんとヒューガと話せて嬉しかったのになあ。
そうだ、わたしも急がないと!
ヒューガを追うように走り出しながら、それでもアイルちゃん探しに視線をあちこちに向けた。
チロルと同じ首輪をしている白ネコちゃん。
あんな光る石をしていたら、皆気づくはずなのに。
百万円欲しさに探している人だっているだろうに。
見つからないのは、どこかに隠れてるのかなあ?
アイルちゃんのことを不良品だと言った時のチロルは、どこか悲しそうで、さびそうで。
だから、チロルの代わりに早く探し出してあげたい、ってそう思ったんだ。
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