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えっと、ヒューガ? ヒューガってば?
尻もちをついた姿勢のまま、動かず、まばたきもしないままのヒューガの目の前でヒラヒラと手を振ってみたけど反応がない。
「ヒューガ? ねえ、ヒューガ? どうしたの? ねえ、ヒューガ⁉」
いくら普段かわいげがなくなって、幼なじみだもん。
尻もちをついた衝撃でヒューガの心臓止まっちゃった、とか?
いやだ、そんなのって、そんなのって!!
「ヒューガ――! 死なないで、お願い、ヒューガ!!」
黒ネコちゃんを放り投げ、ヒューガの肩を持ち、泣きながら揺さぶろうとしたわたしの耳に。
「死んでない、死んでない。ちょっと時間を止めてるだけだし。今、この世界で動いているのは、ボクとキミだけだよ? あ、ボクね、今疲れてるから、三分ほどしか時間が止められないかも。手短に説明したいんだけど、いい?」
ちょんとわたしのヒザに手? いや、足? を置いた黒ネコちゃんが、やはり人間の言葉を話している。
……、なに、これ……?
「もしもーし? ねえ、聞こえてる?」
「き、聞こえてます、はい」
「あ、良かった。じゃあ、説明するね」
「やだ、なんか怖い、なにこれ!」
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