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「助けてくれた御礼は必ずするよ。きっとキミの役に立つと思うよ、ボクは」
「いえ、そういうのは全然……」
「キミの名前、教えて?」
「……メイ……、朝倉芽生です」
「ボクの名前はチロル。あ、ボクが話せることは他の誰にもナイショだからね、メイ」
「う、はい……」
言えるわけない。
ネコがしゃべるだなんて、誰が信じてくれる?
誰に話したって、わたしがおかしくなったって思われちゃうだろうし。
話しながら、そういえばと思い出した。
「えっと、チロルさん、ケガはしていない?」
「さん、はいらない。チロルでいいよ。大丈夫、平気だよ。メイとこの少年がしっかり受け止めてくれたから」
ほほえむように目を細めたチロルに安心した。
「さあ、そろそろ時間が動き出すよ、このチカラを使うとめちゃくちゃ疲れるんだよね。しばらく眠らせてね、メイの側で」
「む、無理だよ。わたし、これから学校に行かなくちゃならなくて」
「学校? よくわからないけど、ついてくか。じゃあ、これからよろしくね、メイ!」
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