5章

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 冷静な口調とは裏腹に楽しげな表情で笑みを浮べるカイン。それとは対象的にいつもと変わらぬ様子で無口なウェザード。 「この戦いで戦の流れが変わる。しかと見届けよ」  ウェインが自信たっぷりで話す。 そうこうしていると前方に敵の布陣が現る。すぐさまジョンが号を発する。 「敵軍発見。撃ち方始め」 号を受け弓騎兵たちがローテーションをしながらマスケット銃を打ち続ける。玉は次々と敵兵士たちを貫き敵兵士たちは次々と倒れていった。初めての兵器の攻撃に敵兵士たちは混乱していた。 「あの武器はなんだ」 「解りませんが盾もきかず貫通してきます」 「このままでは全滅してしまいます」 ――――何だというのだ。あの武器は……。 ――――あれを使うしか無いか。 「背に腹は代えられぬ。ウォールシルド」  リチャード候がそう詠唱すると水の壁が現れマスケット銃の攻撃を防ぐ。 「やはりウォールシルドを使ったか。ジョンよ。弓騎兵隊を交代させよ我々騎兵隊が前に出る」 「了解」 そう言うとウェインを先頭に騎兵隊が前進を始める。そしてウォールシルド付近にたどり着くとウェインがアルトを放つ。
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