5章

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――――これも凌ぐか。 ――――ならばこれならどうだ。 「アイスーム」  リチャード侯が詠唱するとロングソードの刃が氷を纏う。 ――――ほう、そう来るか。 ――――ならば、こちらは……。 「ファイアード」 ウェインがそう詠唱するとイクシオンの刃が炎を纏う。それを見たリチャード侯は驚愕していた。 ――――馬鹿な火のアルトも使えるのか。しかも上級だと。 ――――このままでは確実にやられる。どうすれば勝てる。  リチャード侯は思考を巡らせた後、何か思いついたのかウェインに近づくと上から斬撃を繰り出す。ウェインはそれを涼やかな顔でイクシオンで受け止め互いのアルトがはじけ飛ぶ。その瞬間。辺りには白い煙が漂い視界が遮られる。 「もらった」  そう言いながらリチャード侯がロングソードで薙ぎに掛かる。が、次の瞬間金属音が響きリチャード侯の攻撃がウェインに防がれる。 「悪くない攻撃だったが、狙いがバレバレでこれでは通用せん」  ウェインはそう言うと笑みを浮かべる。
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