コノミ書店の裏仕事４ 幼馴染を見捨てるなの巻

調査開始

　こんなシャレたレストランに一人で入ったのは、初めてかもしれない。それもテラス席。
　場所柄、２０代くらいの若者よりも３０、４０代かそれより上の世代、それもお財布の中身が豊かと思しき人たちが多い。
　日比谷の隣は銀座。売っている物は高い物、というイメージはどうしてもぬぐえない。そして、このレストランも。
　座ったはいいが、座っただけではいられない。何か注文しなければならない。店員が置いていったメニューを恐る恐る手に取る。だが想像したよりもリーズナブルだった。ランチメニューだから、というのもあるかもしれないが、１０００円ちょっとで食事にありつける。これなら経費として領収書を出しても文句は言われないだろう。それでも貧乏性の虎之助は一番安いドリンクとサラダ付きで９８０円のカレーセットを選んだ。