7人が本棚に入れています
本棚に追加
2023年7月21日(金)
本日、完読した本。
佐野晶著
是枝裕和監督
映画『怪物』ノベライズ
昨今のイジメの学校の対応
イジメの実態
ネグレスト
思春期の心理
同性愛…
いろいろな問題を取り上げていますが
映像化したら面白いのかもしれません…。
この作品は確か、
カンヌ映画祭でクィア・パルム賞を受賞されたんですよね。
だとしたら良い作品なんだと思います。
なんだけど
私はあまり評価できないというか…。
「イジメ」や「ネグレスト」なんかの書き方が、
大人から見た書き方に思えて
本当にそれらを経験している人から見たら
これを観てどう思うんだろ?
イジメの描き方が
ちょっと古いというか
いわゆる一般的な(よくある)書き方というか
時代遅れな気がするんだけど
これ、設定が数年前なのかな?
本当のイジメは、もっとしたたかで陰湿だと思う。
誰もが見て「イジメてる」とわからないようにやる。
だから苦しむんだよね。
話題作になるなら、その辺りを
もうちょっと臨場感を持って書いて欲しかった。
ストーリー展開は
最初に疑問や疑惑を投げかけて
徐々にそれを解き明かす…
というやり方で書いていて
ラストでどんな結末をもってくるのかな?
とかなり楽しみにして読み進めていったんですが
ちょっと期待ハズレだった感。
もしかしたら自分がこのテーマで書いたら
こんな流れになるものなのかな…
題名『怪物』にかなり惹かれて本をかってみたのですが
お題負けしているように思えました。
でも、話題になりそうなシーンはいくつかあった。
このテーマで(イジメやネグレストなど)
こんな感じで描かれている本やドラマは
他に沢山あるし
他の本の方がもっとリアルで考えさせられるような。
(辛口感想、まんま自分にブーメランです…泣)
作者は、ホントにこのテーマのことをきちんと取材して書いたのかな?
映画の脚本にするくらいだから
まさか想像だけで書いてないよね?
これだったら
芥川賞をとった
市川沙央作『ハンチバック』の方が
私の持ち合わせた常識を遥かにぶっち切ったし
もっと凄まじい破壊力だった。
本心で
「そう来たか…」「やられた!」
と思ったけど(おこがましいけど)
「芥川賞はこうでなくっちゃ!」
と嬉しくもあった。
芥川賞と脚本を比べるのは違うか…。
…カンヌ映画祭で受賞したという期待が大きかった分だけ
辛口の感想になってしまいました。
『怪物』に感動した方、いらしたらすいません。
最初のコメントを投稿しよう!