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空母海面層にある付属船舶乗船口にて、空母艦内へと帰還する。
三原パイロットは、乗船口で待機していた艦内救急隊員たちに担架に乗せられ、すぐに艦内医療衛生部隊へと搬送されていった。
乃愛が海水に濡れた姿で乗艦したところで、宇品大尉と彼のバディである秋吉大尉、そして大河が待ち構えてくれていた。
「よくやった。剣崎。無事でなにより」
「さすがだったな」
宇品大尉と秋吉大尉そろっての労いに、乃愛はやっとほっとし緊張を保っていた身体から力を抜いた。
「すぐのことで悪いが、ウィラード艦長が故意にパイロットを落下させた甲板要員のことを直接に聴取したいとのことだ。艦長室まで来るよう呼んでいる。その濡れた身体で行くわけにいかないだろう。シャワーを浴びて着替え、隊長の自分とバディの杉谷と共に行くぞ」
「ラジャー、隊長」
乃愛はそのまま濡れた髪の雫を振り払いながら歩き出す。
その後を大河が付いてきた。
「おまえ、犯人の顔、少しでも見えたか。日本人だったか、それともどこの国籍の男か雰囲気とか」
「全然。ヘルメットのシールドを落としていたから、目の色さえわからなかった」
「……だよな。ウィラード艦長、この艦の警備隊を総動員させていま追跡してるらしい。……この艦のクルーじゃないんじゃないかって……」
大河の歯切れが悪くなった。彼もその言葉の裏で『またこの出来事のせいで厄女と言われそうだ』と悟っている。だからとて、それをバディとしてはっきりと口にできない戸惑いを乃愛も感じ取る。
「あれ、この艦のクルーではない、救命装備を付けていないビジターのパイロットを狙っていたってことだよね」
「わざと騒ぎを起こしたと、俺も感じている」
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