15.気高い男の言葉

3/6
前へ
/465ページ
次へ
「君も聞いていると思うけれど。犯人はおそらくもう、この司令本部にはいないのではなかということで、軍警の案件として引き渡すことになった。だが、こちらも再度のことがないよう、警戒を怠ってはならないので、各所部隊長が会議に招集されて、対策について話し合ったんだ。当事者となったパイロットを受け持つ飛行隊の隊長として呼ばれてね。君のところの長門中佐も来ていたよ」  犯人は軍人ではないのではないのか? 一般隊員の中ではそう噂されている。  部外者、不審者を、お披露目前の新型艦に侵入させてしまったという落ち度にて泥を塗られてしまい、一部の司令官たちはかなり激昂しているらしい。 「でも、そのおかげで警備隊が一個部隊増やされ乗艦することになっただろう。あのフランク警備隊だ」 「あ、昨日、非番で艦を下りる時にフランク大佐にお目にかかりました」 「へえ、シドさん自ら乗船口にか……。相当、目を光らせてるんだな。あの人の一隊がバックアップで入ったらかなり安心だ。テスト航海だからと、フランク隊はクルーとして任命はしなかったようだけれど、あの事件で警備が強固なものとなったわけだ。ある意味、完璧になったということだとも思うよ。だが、三原の被害がなければいちばん良かったことなんだだが……」 「ほんとうにあの男、絶対に捕まえてほしいです。あれは間違いなく故意でしたもん!」
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1814人が本棚に入れています
本棚に追加