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「え、戸塚中佐。バイク乗りのライダーなんですか! 私、バイク乗りの免許もいちおう持ってるんですよ」
「バイク免許まで持ってるのか! 俺もHONDAのバイクをいまも大事に保管している。子供が産まれてからはたまにしか乗らないが、これまた我が家も父がたまにきて整備してくれるんだ」
「HONDAの! 見てみたい! 私なんなら、車は父からもらったので、自分ではバイクを買おうかと思っていたほどです!」
趣味が近かったことで、戸塚中佐も『そうかそうか』と嬉々としてくれ車内の雰囲気が明るくなっていく。乃愛の涙もやっと止まった。
「一人っ子だとか、父親の影響を受けてハイダイビングが出来るとか。なんか通ずるものがあるな~と、君のことを知ってからずっと思っていたんだ。妻にも全部話したんだ。妻も君にすごく会いたがっている。いまは出航前で旧島に来ることはできないだろう。航海から帰ってきたら、絶対に招待するから来てくれ。約束だ」
「奥さんに、全部……ですか」
「そうだよ。いま妻にいちばん会わせたい隊員だよ。君は――」
「やめてくださいよ。奥さんに女性隊員の話をして大丈夫なんですか~? 男っぽいとか言われる私でもいちおう女なんで、奥さんの迷惑になりたくないです」
「そこはな。日頃、夫としてどれだけ妻に愛を伝えているかで信頼されているかどうか判断されるものなのではないのか。俺は自信ある」
「いやあ、さすがです。うん。さすがクインさんです!!」
「だろう。安心して我が家に来てくれ。ほんとうに妻の料理は美味いんだ」
「あはは。楽しみにしています」
毎日の出来事はすべて奥さんに報告していそうだなと、さらなる『愛妻家』ぶりに乃愛は笑いだしていた。
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