運命のふたり

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運命のふたり

「二人ともありがとう。不思議ね…ここ数日、ひなたとるなの夢を久々に見たの。だから、息子から私に会いたがっている人たちの名前を聞いた時、すごく驚いた。同時に、会わなきゃって思ったの」 ママは昔と同じ眼差しで、俺たちを見つめている。 「夢を見始めた時…息子がね、うちでも犬を飼いたいって言ってて、悩んでいたの。新しい子を飼い始めたら、あの子たちが悲しむんじゃないかって思って…」 話によると、息子さんが散歩していたのは、この家の飼い犬じゃないそうだ。飼い主の事情で、数週間預かっているらしい。 俺とるなは、立ち上がり同時に言った。 「大丈夫だよ!」 そしてお互い、顔を見合わせて静かに座り直した。 「そりゃあ、少し嫉妬はしちゃうかもしれないけど…ママはどんな子も幸せにしてくれるって分かってる」 少し拗ねたようにるなが言う。 「うん、ひなたとるなが助けられたように、優海さんとその家族のもとで助かる命や幸せになる子たちがいるなら、賛成だよ」 ママは少し寂しそうな笑顔を向けた。 「あなたたちには、これからもまた会えるのかしら?」 俺はるなの顔を見る。るなは悲しそうに目を伏せた。
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