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ありがとう、さよなら
「ひなた、今まで本当にありがとうね。大好きだよ、ありがとう…」
あぁ、ママが近くにいるのが分かる。
そんなに泣かないで。もうボクは目がぼんやりとしか見えないけど、ママの匂い…大好きな匂い。
ボクはこのまま眠ったら、明日はおはようの挨拶も、ごはんを食べることも、ママとのお散歩も…行けなくなるんだね。
「るな、ほら。こっちおいで。ひなたに挨拶してあげて…」
かすかな足音とお日様の匂いがする…。
るな…キミはいつもボクについて歩いて、急にじゃれてくるからケンカになったこともあったね。
ボクと違って小さくて細くて…声が可愛かったな。
いつもスリスリしてきたっけ…。
るな、ボクは先にいくね。ママのこと、頼んだよ。
きっとボクらは、またいつか同じところで会えるよね。だから淋しくない。キミが来るのをずっと待ってるから。
またね、るな。二人で会えたら、一緒にママにまた会いに行こう…。
おやすみ、ママ。るな。
ママに優しく撫でられて、ボクは天国へ旅立った。そして、神様にお願いしたんだ。また、ママとるなに会わせて下さいって…。
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