第一章にゃ

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「ミーはピンクが好きなの!」と言って勝手に選んだピンクの水玉プレートの上にはお水、カリカリ、そして一際と輝きを放つゴルフォーが乗っていた。  正式名称は、ゴールデン・フォン・ドヴォーという名称らしいけど、とーちゃんは、ゴルフォーと言ってミーのお皿に入れてくれる。魚の身をほぐし、上品なスープに包まれたゴルフォーは、マグロの旨味と出汁から出る甘味のハーモニーを生み出し、ミーの身体に入っていく。  甘露にゃ。  腹も満たされたミーは、残った仕事を片付けようと玄関に置いてある虫籠に近寄る。  そして目を丸くする。  ワタゲがいない!  昨日は、確かにいたのに!   キーが学校に行く前も確かにいた。 「行ってくるねーヘラクレス」  そう無邪気に言って学校に行ったにゃ。  見ると虫籠のフタが小さく空いてる。  虫籠にはワタゲの他にシジミチョウもいた。  恐らく可哀想に思ったとーちゃんかママさんが逃がそうとフタを開けてその隙に・・・。  まずいにゃ。  外に逃げていれば、それならそれでいい。  だが、もしまだ家の中にいたら・・・。  ミーは、慌ててママさんのところに駆ける。
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