嘘つきな運命

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嘘つきな運命

 毎朝、同じ時刻の電車に乗ると、あなたはいつもそこに居ました。  いつしか目が合うと会釈するようになり、そして、少しの会話をするようになり、いつしか隣の席に座る間柄にまで進展したのです。  席が混んでいる時にはどちらともなく、お互いの席を確保して待つようになりました。  少しの会話が話し足りなくなる頃に、お互いの連絡先を交換しました。  そして、幾度かのやりとりを重ね、私たちは恋人同士になりました。  私たちは、自分たちの出会いを、運命的だったよねと言っていたけども、本当は……、違うのです。  ごめんね、(しゅう)  これは、嘘つきな運命なのです。
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