序章編「クレフィーナのお願い事」

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序章編「クレフィーナのお願い事」

(1) それはクレフィーナが14歳になった頃の事。ある朝、家族で朝食を食べ終わって珈琲を飲んでいたら、クレフィーナが突然に、 「父さん、母さんあのね私冒険者と薬見習いになりたい!」 「ぶーーーっっっっっーーーーーゲホゲホ」 と、母レースと父のテナカリが飲んでいた珈琲を2人揃って同時に吹き出し、珈琲がそれぞれの気管の中に入り、ゲホゲホしている母のレースと父のテナカリ。そして次第に段々と咳き込みが治まった所で、クレフィーナに尋ねます。 「お前、今、なんて言った?」 「うん、もう1回言うね。私 、両親みたいに冒険者と薬見習いになりたいんだ!」 と、クレフィーナは少し驚いている様子の2人言います。すると、母のレースさんが、 「まぁ!聞いたかしら~?貴方~?クレフィーナが今みたいな話は予想もしてなかったけど昔から私達の後ろ姿を見て育ってくれたから、今度は私達がクレフィーナを応援していきましょうか〜?」 と、母のレースさんに尋ねられた父のテナカリも、 「うん!そうだな!クレフィーナも幼い頃から見ていてクレフィーナも自分から言える年頃になって来たしね。まさかクレフィーナが同時に冒険者と薬剤師見習いになりたいって言ってくれたから今度は妻と一緒にクレフィーナの事を応援するよ!」 「うん有難う父さん母さん」 と、二人の間に挟まった状態で段々と泣き始めてしまったクレフィーナを父のテナカリが優しく声を掛けます。 「ほーら~?クレフィーナ?そろそろもう泣くのを止めな?」 と、父のテナカリに泣くのを止めるように言われるが、クレフィーナは、 「だって、まさか冒険者と薬剤師見習いの許可がおりるとは思ってもいなかったからつい嬉しくて・・・」 と、言うと更に泣き出してしまったクレフィーナを2人で背中を優しく摩り落ち着かせながら、 「よしよし、クレフィーナ。もうクレフィーナの気持ちが十分私達に伝わったから本当に偉かったね。だからもうそろそろ泣き止みな?」 「うん」 と、父のテナカリと母レースの2人で泣き止ませ様としますが、1度泣き出してしまうと、中々泣き止む事がで出来ないのでクレフィーナが泣き止むまで背中を優しく擦りながらゆっくりと落ち着かせていく母のレースと父のテナカリの2人。 そして2時間後....。 やっと暫く泣いていたクレフィーナが落ち着いた所で試しに母レースと一緒に調合をやってみる事になり、母のレースが、クレフィーナに 「クレフィーナ、今から私と一緒に調合をやってみよう」 「うん!そうだね。でもいいの?」 と、不思議そうな顔で尋ねるクレフィーナにレース母さんがクレフィーナに、 「うん、大丈夫だよ!もしクレフィーナが私と同じ調合の適正があった場合も兼ねて調合をやってみようね!」 と、レース母さん早口で話してしまったので、クレフィーナは何の事を話しているのか分からずに、 「母さんさっき言っていた調合の適正が有るかどうか話していたけど一体何の事なの?」 と、少し頭の中でこんがらがっているクレフィーナは、母のレースに聞いてみると、 「クレフィーナはまだギルドの会員証を持ってないでしょ?」 「うん、そうだね!ギルド会員証持ってないかも」 と、母のレースさんに言うと話が続きます。 「で、冒険者になる為には一度ギルドともう1つ調合界支部に申請をしとかなくちゃいけない決まりがあってね。ギルドの申請にはそんなに時間は掛からないと思うんだけど、もう1つの調合界支部の申請には調合界で指定された材料で作らなくちゃならないんだけどね・・・。」 と、何故かレース母さんは少し苦笑いしながら言うと、またまたクレフィーナが、 「ねぇ母さん?ギルド申請ってどんな事をやるのかなぁ~?まさか物凄い厳しい試験なのかなぁ~?」 と、聞かれたので、 「うーんどうだろう?何て言えば分かるかなぁ~?クレフィーナがそこ迄怖がる必要は持たなくっても大丈夫なんだけどなぁ~?まぁ、クレフィーナが怖がるのも無理は無いかも知れないけどギルド長との対面式で会話をするだけで物凄く厳しい試験はやらないと思うよ!」 「あ!そうなんだ~!じゃ、よかった~!ちょっとホッとした」 と、ホッとした様子で母に言うクレフィーナ。そしてレース母さんの手招きで初めて調合室に入りながら、クレフィーナが調合で使用する材料と道具を考えながら準備していく母のレース。そしてクレフィーナにも、 「クレフィ、今から私が薬箱から生原料とかを机の上に出してゆくから手袋を装着しといて!後 クレフィは道具場所から小鍋を出しておいて!」 「うん。母さん分かったけど、手袋と小鍋って何処の場所に有るの?」 「あ、そうか!ごめん。えっと手袋の場所はちょっと待ってて。小鍋の道具場所は薬箱2個目の隣にある棚の最初の段に入ってるよ」 「はーい」 と、手袋の場所は後回しにして母のレースさんに言われたこ鍋の準備をしていると、調合で使う材料が次々と机の上に出されていき、そして道具と材料などが全部出揃った所で少し緊張しているクレフィーナに、 「よし、クレフィ、最初の調合で緊張していると思うけど今回私が付きっきりで調合のサポートをしていくから心配は要らないから大丈夫だよ!」 「うん、そうだね」 と、緊張をしているクレフィーナに優しく声を掛けて緊張を解していく母のレースさん。そしてクレフィーナの緊張が解れ、普段の顔付きになってきた所で 「じゃ、今から机の上に置いてある材料を言っていきながら調合の手順を説明していくね。」 「うん」 「先ず、最初の材料を切るのは、『鬼の激高の茎の部分』を20本を包丁で微塵切りになる迄切るけど、この鬼の激高の茎の部分は目茶苦茶滲みる液体が出るから手袋を装着しなくちゃいけないんだけどね。まだ手袋を渡して無かったから今から渡すね」 「うん」 とレース母さんに手袋を貰い装着すると、言われた通りに鬼の激高の茎を微塵切りに切ってから、 「よし、鬼の激高の微塵切りが出来たね。じゃ、次の工程は鍋の中に練水と微塵切りにした鬼の激高の茎と月の霧隠しをしっかりと混ぜ合わせながらクレフィーナの今の気持ちの念をありったけ練水に込めるんだよ。そしたら練水が光ったら調合が終わった合図になるから取り敢えずやってみよう」 「うん分かった!今からやってみるね!」 と、クレフィーナ練水が入った小鍋の中に微塵切りにした鬼の激高の茎と月の霧隠しの雫を一雫落としながらゆっくりと混ぜながら、 『今日初めてお父さんお母さんに薬剤師見習いになりたいと伝えたら初め驚いた顔をしていたけど、お父さんとお母さんが応援してくれるから私嬉しくて泣いてしまったけど、これから色んな人の怪我を治しいつかお母さんみたいになりたい』 と、クレフィーナが願った瞬間に練水がクレフィーナの気持ちに反応し物凄く強めの光が輝きながら弱くなっていくと、鍋の中には物凄く青く澄み切った水が出来上がっていたので、これには母レースさんも、 「うん、クレフィーナお疲れ様。クレフィーナの初めての調合としては合格だよ!後、この水は今日からお店に置ける出来かな!」 「うん、嬉しいな」 と、初めての調合で疲れ切ってしまったクレフィーナは少し眠そうな目をしながら母レースの話を聞きますが、母レースの声はなんだか子守唄に聞こえるのか眠ってしまう寸前のクレフィーナ。すると母のレースが背中の方を向けながら、 「クレフィーナ、今日は疲れたでしょ?背中で寝ちゃっていいからね?今日はお疲れ様!ゆっくり休んでね」 「うん、そうするよ」 と、クレフィーナは最後の力を振り絞って母のレースさんの背中に乗り、母レースさんが立ち上がると同時で寝てしまいました。そして、背負っているクレフィーナを起こさない様に静かに調合室から出て来ると父のテナカリが心配そうに待っていました。そして、妻であるレースさんに、 「クレフィーナ寝ちゃったね!」 「うん、そうだね。今日は初めての調合で使う材料等を切ったりしたから疲れたみたいだね。でも、クレフィーナの顔はなんだか嬉しそな顔をしているよ! 」 と、父のテナカリは母レースの背中で寝てしまっているクレフィーナの寝顔を見て言うと母のレースも、 「うん、本当だね!クレフィーナ今日初めて調合に成功してクレフィーナ自身もとっても嬉しかったんだろうね!何だか私の若い頃にとっても似ているよ。さてとクレフィーナを部屋まで運ぼばないとね!」 「あ!そうだね!じゃ、俺も手伝うよ〜!」 「うん、有難う貴方〜!その後に今日クレフィーナに作ってもらった水の評価と明日の朝一に貴方にギルドのギルド長に面会申請をしてきてもらわないといけないんだけどギルドに行って来てもらえないかしら?」 と、母のレースに申し訳なさそうに言われた父のテナカリは、 「うん分かったよ。明日朝一にギルド長に面会申請をしてくるよ」 「ありがとう。面会の件貴方宜しくね?」 「了解〜 」 と、母のレースの背中で眠っているクレフィーナを起こさない様に部屋まで運びながら、そのままの姿では寝られ無いので一旦父のテナカリにはクレフィーナの部屋の外で待ってってもらい、母のレースはクレフィーナの寝巻きの上下を着せていきます。そして無事に寝巻きに着せ終えた母のレースはクレフィーナの部屋の外で待っている父のテナカリを呼びます。 「貴方〜!もう入って大丈夫だよ」 「分かった。」 と、父のテナカリと母のレースの2人でベットでスヤスヤと眠っているクレフィーナにお休みを言ってから部屋の電気を消して部屋を出ていきます。 そしてクレフィーナの1日の夜が終わりました。
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