元気いっぱい!スポーツ少女・茉莉

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元気いっぱい!スポーツ少女・茉莉

 桜が舞う校庭。  昼休みにサッカーボールを追いかける女の子が一人。 「茉莉(まつり)! 行け! シュートだ!」 「わかってる!!」  クラスで1番大きな背。  長めのショートカットが揺れて、力強いシュートが決まった……! 「やったぜ! 茉莉!!」 「茉莉すっごい!」  周りの女の子が拍手した。 「あはは……そんな事ないよぉ」    サッカー、ドッジボール、鬼ごっこでもなんでも1番強いスポーツ少女!  それが小学五年生の苑野茉莉(えんのまつり)。  昼休みは必ず体育館か校庭に誘われスポーツが定番だ。 「おい! 茉莉、マイキの新しいスニーカーまじカッコいい! 見たか?」  まだ春なのに、もう真っ黒に焼けてる角刈りサッカー少年が教室に戻ろうとする茉莉に話しかけてきた。  マイキは、大人気のスポーツブランド。  彼の全身コーディネートは、シンプルでかっこいいマイキで揃ってる。 「あ、いや~見てない」 「俺、次のテストで100点取ったら買ってもらうつもりなんだ……ってあんなにマイキファンだったのに、どうしたんだよ」 「う、うん~? まぁちょっと違うのもいいかなって最近思っててさ」 「オディダス? ペーマ? ジャンピオンもいいよな!」  彼の言っているのは、全てスポーツブランドだ。  女性向けの商品もあるが、茉莉は色や形など男性向けが好きで、ずっと身につけていたのだが……。 「ま、まぁね」  今日の茉莉の服装も、シンプルなロンTとジーンズ。  だけど最近、茉莉の趣味は変わったのだ。  言いたいけれど、言いにくいな……と複雑な表情で教室に戻る茉莉。  そのはるか上空に……なにやら蠢く気配があった。        
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