彼の名前は「モサクン」?と鬼課長?

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彼の名前は「モサクン」?と鬼課長?

【2話】-1 『昼のランチは終わりましたか? 私は終わりました。 今日はパスタでした。』 彼がメールを読み終えた‥‥ 。 その時! 誰かにケイタイを、取り上げられた! 彼が社長の遠い親戚。コネで会社に入ったことを、 気に入らない会社の社員がいる。 その中の二人の男子社員だった。 二人は彼を見て、 ニヤリとイジワルそうに笑うと 「これ、まさか‥‥。彼女っ?」 「彼女できたのか? どうせまた、コネだろう?」 「か、返して下さいっ。 ケイタイっ。 それはボクのですっ。」 「返せだって?どうする?」 「どうしようかなぁー。」 と言って笑っている二人。 誰かが、二人の男子社員の背後に近づいて来た。 彼をからかっている、 男子社員の二人の肩にそれぞれ 両腕を回して、 二人の顔の間に顔を出した。 「ウチの部署の部下に何している?。 ケイタイ返してよ。」 ギョッとした顔で、その顔を見る二人。 「あっ、課長っ。」 彼が叫ぶ。 「エッ?課長っ?」 彼をからかっていた、男子社員の二人は テーブルにケイタイを置くと、 あわてて逃げた。 課長は、 彼のイスとテーブルの反対側の イスに座った。 「で、何の話?」 課長は笑顔だが、目は笑っていなかった。 「えーと。」 彼は返事に困った。 彼がメールの彼女と知り合った時の話。 その彼女のどこが好きなのか? 色々課長に聞かれた。 「あのー、課長。 もう昼休み終わってますよ?」 彼が言うと 「いいの。オレが責任持つ。 それからどうしたの?」 (課長はいい人なんだけど、 しつこいのよね。) 【3話】 課長と二人で部署に戻ると‥‥。 「課長っ、また、ですかぁー? 遅いですっ。 電話が鳴ってますよっ。」 部下の一人が、あきれた様子で 課長を見る。 「おっ、 『モサクン』も課長と一緒? 色々聞かれたんだ?‥‥。 ふうん。」 もう一人の部下が言った。 『モサクン』とは、 上司の営業三課の課長が彼に付けた呼び名。 課長の顔が別人になる。 鬼課長の仕事人の顔だ。 「モサクン、 昨日まで教えた事は覚えた?」 課長が聞く。 「はい。」 と返事する彼。 「自分でやれる? わからないことは、すぐ聞いて、 間違った事を覚えても困るからね。」 課長は厳しい顔になる。 「わかりました。」 真顔で彼は答えた。 「このデータのやり方がわかりません。」 彼が手を上げる。 「誰か教えて。 彼が即戦力になれば、仕事の効率が上がる。」 課長が言う。 「はい、行きます。」 部下の一人が手を上げる。 「じゃあ、頼む。」 と課長が答える。 課長が部下たちに言った。 「彼には、仕事を覚えてもらう。 時間をかけて徹底的に教えろっ。」 「はいっ。」 と部下の全員が返事をした。 「このデータの、 修正の仕方がわかりません。」 彼が手を上げる。 「誰か行って。 彼が仕事を完全に覚えれば、 キミたちの負担も減る。」 「はい、行きます。」 部下のもう一人が手を上げる。 「じゃあ頼むね。」 と課長。 「データのコピーの仕方がわかりません。」 彼が手を上げる。 「誰か頼めるか?」 と課長が聞く。 「はい、行きます。」 部下の他の一人が答える。 「状況判断を誤るなっ。 特に営業一課は、 超インテリでエリート集団だから用心しろ。わかってるね?」 課長は部下たちに念を押す。 [営業一課]~外回り 新しい顧客の開発、 言葉は二カ国語を話す。 超インテリでエリート集団。 業績と実績は、トップを維持し続けている。 仕事に厳しい。 大まかなデータあり [営業二課]~内回り 今までの、 長い付き合いの顧客の訪問。 顧客の業績の安定の確認。 顧客の質疑応答。相談に乗る。 大まかなデータあり [営業三課]~データ分析 一課、二課のデータを細かく 分析。記録保存と保管。 一課と二課の信頼も厚い部署。 課長のスゴイ所は、 それぞれの部下の特性を生かして その才能を伸ばす。 そのおかげで分析力は上がる。 業績の見通し、計画、予測、 課題、が見えてくる。 「彼、モサクン。 変わりましたね、課長。」 部下の一人が笑顔で言う。 「そうだな。 やっぱりメールの彼女?」 課長が笑顔で答えた。
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