出られない部屋のひみつ!

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出られない部屋のひみつ!

『はっはっは!よく来たな、恋人たちよ!貴様らは運命のふたりとして選ばれたのだ!』 「な、なに?なんなの?」 「なんだなんだ?」  真っ白な部屋、響き渡るさながら魔王のような低い声。  閉じ込められたカップルは恐れ慄き、互いに抱きしめあって震える他ない。 『よく聞くがいい。その部屋は、今から言う条件を満たさなければ、けして出ることは叶わない!』  白い部屋には、荘厳な扉がひとつ。  固く閉ざされたその扉は、男と女がいくら力を合わせても開かないようだった。  どうやらその条件とやらを呑むしかないらしい。二人は渋々、声に耳を傾ける。  キスでもしろと言われるのか?  まさかセックスしろとでも?  あるいは、二人で殺し合えなんて言われたらどうしてくれよう?  怯える二人に、声は言う。 『なに、難しいことはない!今から貴様らは互いに……お互いの嫌いなところを十個言ってもらう!それが出来ればこの部屋から出してやろう!』 「な、なんだって!?」 『さあ、選ぶが良い!この部屋で永遠に朽ち果てるか、互いに罵倒をぶつけ合うかを!はっはっはっはっは!』  愛しあう二人に、運命で結ばれた二人になんて酷い仕打ちをするのか。  男女は暫く、涙目で見つめ合う他ないのだった。
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