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「とまあ、これでどうっすか!●●しないと出られない部屋、を使って二人を別れさせるのは!互いに悪口を言わせまくれば100パー別れさせられますよ!」
「……」
僕の目の前、目の前でキラキラした目をして見せる新人の女の子。
その手には名状しがたい絵を記した紙芝居。今時何故、プレゼンが紙芝居なのだろう?
いや、そんなことよりも。
「……羽丘くん」
「ハイ!」
「えーっと、うちは別れさせ屋って仕事なんだけどわかってるよね?」
「ハイ!バカップルを爆散させる仕事ですよね!」
「微妙にその時点で違う!……そしてうちが、闇金から逃げまくっててお金ないのは知ってるよね?」
「ハイ!課長が会社のお金持ち逃げしちゃったんですもんね!」
「では質問です。カップルを拉致してきて、特定の条件をクリアしないと開かないような施設を作って、かつ事件が発覚しないように裏で手を回しまくるのにどれだけの資金と手間と時間がかかるでしょうか?」
「…………」
「…………」
だめだこりゃ。僕はため息をついてテーブルに突っ伏したのだった。
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