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「見ない顔って・・・、それはこっちのセリフだが?」
寧ろ女の子の顔がフードで隠れているから見えないが。
そんなこと言っても面倒臭いのでスルーする。
「貴方・・・、その服は何かしら?」
「何って、制服だ制服。何で知らないんだ」
「何でも何も、制服・・・なんて服聞いたこと無いわよ」
「はあ?」
女の子は制服のことを知らない。同い年の癖に態と言いやがって。
ムカついてきた。
「取り敢えず、顔をよく見せろ!」
俺は無理やり彼女のフードを脱がせた。
長くて夜に煌めくような金色の髪、青く輝く瞳を宿した眼、モフリとした獣耳、何より想像以上の小顔――
「お前、人間じゃねえな」
獣人族だったとは。
「・・・・・・人間なんて種族は知らない」
彼女から出た言葉は予想外だった。
人間がいないだと?そんなこと有り得る訳が・・・、否そもそも獣人族が地球に居た話は聞いたこと無い。
「異世界から来たのか?」
「異世界?貴方のほうが異世界から来たのでは?」
話が噛み合わん。
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