1章  滅び

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 そうして僕らは、この日を以って赤の他人へとなった――        「あれは散々な出来事だったな」  身支度をしながら回想していた。  結局、僕に彼女という存在はできないのだ。  陽キャ、陰キャに隔てなく優しくしてくれる人など、一人もいないに等しい。  鞄を背負うと、玄関のドアを開けて鍵を掛けた。  そのまま門の扉を開けて家を出た。  「僕の高校生活はきっと、残酷になるだけだ」  僕はそう呟いた。      今日から新しく通う高校―――私立水都学園。  学校内の設備や環境は、他の高校よりも綺麗だとネットで見たことがある。   まぁ良い方ならまだましか。  そう思いながら、正門へと足を踏み入れようとしたとき――  「あら、中学以来ね」  この声の主は――  「綾崎昴君」  元カノで同じ中学出身の、神崎風華である。  「何であんたが此処にいるんだよっ」  「それはこちらのセリフです」  「はぁ、ったく。元カノの顔なんざ見たくもないから、わざわざ遠い高校を選んだのに。ついてないな」  「何を仰言るかと思えば、底辺な愚痴ですね」  
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