1人が本棚に入れています
本棚に追加
入学初日からこれか。
やっぱりそうだ。
僕が此処にいていい理由なんて何一つないんだ。
心の中でそう呟いた。
入学式はリモートで行った。
最初から最後まで話が頭の中に入って来なかった。
噂話が入学初日から起っていると、これから毎日虐められるんだろうな。
入学式が終わり、休み時間になると教室中が五月蝿くなった。
僕の机に男子たちが数人、寄ってきた。
「なあ陰キャくぅん」
「・・・何ですか」
「ああ?喋んじゃねーよ!」
突然、僕の机に台パンした。
何で喋ってはいけないのかよく解らない。
「ジュース」
「?」
「あ?買ってきてこいっつてんだよ!」
「すみません。ちゃんと言ってくれないと分からないもので――「とっとと行け!」」
他の男子たちも次々に
「俺にも〜」
「コーラで」
「ジンジャー頼むわ」
と、注文してきた。
僕は椅子から立ち上がった。
「1分で買ってきてこなかったらどうなるか、理解るよな?」
脅そうってわけか。古いな。
「はい」
廊下を出て落ち着いた足取りで買いに行く。
最初のコメントを投稿しよう!