2章  崩壊

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2章  崩壊

 「ディアルド?」  恐らく――『魔界』を意味している可能性はあるな。  「さてと。クラスメイトたちはどうしているのか・・・」  僕の手持ちに有るのは、飲み物4本。後は、金銭だな。  最低限水でなくとも飲み物があれば、早々死なない。  それに、金銭がどこかで役に立つしな。  「砂漠なのに、気温が全く上がり気味ではないようだな」  背後から声が聞こえた。  僕をパシリにした、あの男子たちの中の一人、白石凌(しらいしりょう)だ。  「あれ?何だ、陰キャがいたのか。よく見えなかったぜ」  僕に今更気が付いたかのような口調で話してくる。  そっちがその気なら・・・・・・  「え、と。誰でしたか?」  名前を知らないように話してみた。  「はあ?お前この俺を、白石凌を知らないにも程があるぜ!」  「すみません。僕、人の名前を覚えられないばかりで・・・」  「陰キャに覚えられたくない!それよりも、良いもん持ってんじゃん」  「1本なら――「全部だ」」  「何でですか?」  「何でも良いだろ。とにかく、全部寄越せよ」  僕は、笑顔で返す。
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