2章  崩壊

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 「見ない顔って・・・、それはこっちのセリフだが?」  寧ろ女の子の顔がフードで隠れているから見えないが。  そんなこと言っても面倒臭いのでスルーする。  「貴方・・・、その服は何かしら?」  「何って、制服だ制服。何で知らないんだ」  「何でも何も、制服・・・なんて服聞いたこと無いわよ」  「はあ?」  女の子は制服のことを知らない。同い年の癖に態と言いやがって。  ムカついてきた。  「取り敢えず、顔をよく見せろ!」  俺は無理やり彼女のフードを脱がせた。  長くて夜に煌めくような金色の髪、青く輝く瞳を宿した眼、モフリとした獣耳、何より想像以上の小顔――  「お前、人間じゃねえな」  獣人族だったとは。  「・・・・・・人間なんて種族は知らない」  彼女から出た言葉は予想外だった。  人間がいないだと?そんなこと有り得る訳が・・・、否そもそも獣人族が地球に居た話は聞いたこと無い。  「異世界から来たのか?」  「異世界?貴方のほうが異世界から来たのでは?」  話が噛み合わん。
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