1章  滅び

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 「本当にそうでしょうか?」  「え」  神崎さんの瞳が揺れた気がした。  「私のような者が何故、陰キャなどレッテルを貼られている人を好きになることがいけないのですか?」  「えっと」  「例えそのようなことがあっても、私はキャラ設定に関係なく、優しい人が好きなだけです」  「か、神崎さん」  「何ですか?」  「僕だって男子だよ・・・。嬉しくない訳がないよ」  「それって――」  神崎さんが瞳を大きく光らせた。  「つまり宜しい、ということですか!?」  「・・・・・・うん」  「はわわわわ〜!」  僕は右手を差し出した。  「僕も神崎さんのことがずっと気になっていました。こんな僕で良かったら是非、付き合ってください!!」  「――はいっ」  そうして僕らは恋人になった――    それから僕の日常は少しだけ変わった。  朝は一緒に登校。昼は屋上でランチ。帰りも一緒に下校。  デートは祝日にたまに出かける程度。  でも、こんな日常でも僕にとっては充実したものだった。  僕はこれからも、神崎さん――風華と一緒にいるつもりだった。
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