1人が本棚に入れています
本棚に追加
「昴君、もう別れましょう」
僕たちが別れることも知らずに。
恋人になってから1年のお祝いとして、カフェで昼食を食べていたときである。
「今、なんて――「聴こえなかったのかしら?別れましょうって言ったの」
「な、そんなっ!どうしてだよ、風華!?」
ガタッと思い切り椅子から立ち上がり、風華を睨みつけた。
風華はまるで、汚物を見たような眼差しを向けた。
「勿論、貴方のことが飽きた訳ではないわ。でも昴は最近目立ってきていて、私とだけじゃなく他のクラスメイトと一緒に仲良くしているのを見て、想ったのよ」
「何だよ・・・」
「私のことだけを見てくれない恋人なんて、要らない存在だけでしょ」
「――!」
分かってたんだ。風華は嫉妬している。わざと冷たい態度を取ることで、僕にもう一度振り向いてもらう作戦なんだ。
なら、こっちは唯煽るだけ――
「もしかして、嫉妬?」
「はぁ?」
「だってそうでしょ?僕が他の女の子と話しているのを見たら、そりゃ嫉妬するよ」
「・・・・・・」
最初のコメントを投稿しよう!